「オカルトの森へようこそ THE MOVIE」感想 ひとあじ違った感覚の恐怖が味わえるPOVエンタメホラー

ホラー

「貞子vs伽椰子」「不能犯」「地獄少女」の白石晃士 監督のジェットコースター・POV・ホラー・アドベンチャー 「オカルトの森へようこそ THE MOVIE」響き的に想像しただけでも面白そうです。

個人的にエンタメホラー好きだし主演が堀田真由さんだと言うことで視聴してみました。

出典元:KADOKAWA映画

監督:白石晃士
脚本:白石晃士
キャスト
市川美保(堀田真由)
ナナシ(飯島寛騎)
麻里亜(筧美和子)
江野祥平(宇野祥平)
黒石光司(白石晃士)
蒼天(中野英雄)
他…

映画「オカルトの森へようこそ THE MOVIE」あらすじ

ホラー映画監督の黒石光司のもとにファンから不思議な1本の動画が送りつけられた。

その内容は赤く光る隕石のような物が地球に落下してくるもので、直後に撮影者の背後で「ギャーッ」と叫び声が聞こえ、振り返ると黒いモヤモヤした霧でできたタコのような生命体が佇んでいた。

撮影者の女性は傘で防ごうとするも黒い触手のような物が彼女に遅いかかると映像はそこで途絶えてしまう。

黒石は助監督の市川と共にその超常現象について取材をするために山奥の依頼人の家に向かう。

道中でショットガンを抱えた怪しい男、江野に遭遇し、すぐに引き返すように促されるが2人はそれを無視して目的の家へ辿り着く

見るからに異様な家は建物全体に様々なメッセージや絵が貼られていた。

中から2人を出迎えた依頼人の女性は憑依されたようで明らかに様子がおかしかった。

麻里亜と名乗るその女性に案内されるがまま2人は家へと入って行くが・・

「オカルトの森へようこそ THE MOVIE」感想(ネタバレ)

「オカルトの森へようこそ THE MOVIE」率直な感想は、ブレア・ウィッチ・プロジェクト×ミッドサマー×寄生獣と言った印象を受けました。

全編が監督の主観目線のPOVスタイルです。

主人公の映画監督と助監督が依頼人の住む山中で宇宙から来たと思われる未知の存在と遭遇しその生命体と戦いながら徐々に確信に迫って行くんですが、敵がCGのせいか時折盛り込まれた笑いの要素のせいか小道具や演出のショボさのせいなのか、わかりませんがどこか茶番じみて見えてしまいました。

決してつまんないとかじゃないんですけどね。

監督の主観目線でのカメラ1台での長尺での撮影は移動する際ブレまくりで目が回りそうなんだけど臨場感は味わえます。

ただバトルシーンに関しては迫力なしで裏目に出たと思いました。

江野のショットガンはまだしもナナシの気だか波動を使ってる体のVFXバリバリのシーンなんかショボいの一言に尽きます。

後半で一瞬だけ普通の格闘シーンがあるんだけどバトルはあっちをメインにしたほうが良かった気はします。

ただそうなるとキャストが変わってくるのかな・・

キャストは主人公の市川美保を堀田真由さんが正義感の強いサバサバした役どころを好演されてました。

物語の重要な役どころ、金髪イケメン霊能者のナナシは飯島寛騎さんでドSキャラなんだけどたまに見せる優しさは男から見ても素敵過ぎました♡

事の発端となる謎の女性、麻里亜を演じたのは筧美和子さんでブッ飛んだキャラが結構ハマってました。

今作のスパイスのような役割と思える怪しい自称「正義の味方、スーパーボランティア」の江野を宇野祥平さんが味のある演技で好演されてました。

他にも途中でチョイ役として出てくる霊媒師の蒼天をベテランの中野英雄さんが演じてたりします。

ここからネタバレです。

家に入った2人は麻莉亜の様子を見て最初は精神を病んでるだけだと思って高を括ってましたが、目の前で椅子が動いたり麻莉亜が宙に浮いた事で只事じゃないと気づきます。

直ぐにその場からの脱出を試みますが、不思議な力で玄関の扉が開かなくなり背後では謎のタコのような生命体が今にも襲いかかろうとしてます。

為す術もない2人でしたがその時、先程山ですれ違った怪しい男、江野が現れタコをショットガンで仕留めます。

外に出ると既に車を壊されていて一同は走ってその場を後にします。

江野は、行方不明の少女を探して山を訪れていたところを2人に遭遇し、心配で引き返してきたのでした。

一同は憑依された麻莉亜を連れてなんとかバスに乗り込むんですが追手はしつこく喰らいついてきます。

そこに取材に先駆けて約束しておいた霊媒師が現れますが既に山中での戦いで消耗してました。

あっけなくやられた霊媒師の蒼天でしたがそこに金髪の男が現れ敵を一掃します。

蒼天に助っ人として呼ばれていた男は「ナナシ」と言う名で、彼を交えた事で一同は一気に戦力を得ます。

襲ってくる敵を倒すことで物事は解決に向かっていると思われた矢先、麻莉亜がまた奇妙な行動を起こします。

一同は逃げていく麻莉亜を尾行しつつ様子を伺います。

麻莉亜を追って辿り着いた先には未知の存在を地球に呼び寄せたと思しきカルト集団のアジトがありました。

一同は取り憑かれた体でアジトに潜り込むとそこでは動物や人間を生贄として捧げる不気味な儀式が行われようとしていました。

麻莉亜はその儀式の重要な生贄として落ちてきた隕石の祀られた祭壇の中心で呪文を唱えています。

どうやら未知の存在は隕石の中の強力な何かを儀式で生まれさせ地球を乗っ取る事が狙いのようで、人間をその為に操っていたのです。

更に江野の探している少女も器として隠している事が発覚します。

一同は驚愕しつつも状況を打破する作戦を立てます。

それは消耗仕切ったナナシをフルの状態で復活させるため、一度、麻莉亜と共にナナシも生贄として殺された後に市川、黒石、江野の3人でその場の全員を殺し、最後にアジトのどこかに隠されてると思しき行方不明の少女を市川の手で殺すというもので、

殺した全員が復活が出来るというものでした。

これは宇宙からの波動を察知したナナシの直感で、殺した全員はそうすることでまた復活できると確信した上での作戦でした。

但し隕石の中の存在が目覚める前じゃないとそれは失敗に終わるとナナシは市川に託します。

一同は半信半疑のままナナシと麻莉亜が処刑されたのを合図に作戦を決行します。

集団の全員を倒し、隕石の後ろの箱の中にいる少女を見つけた一同、

市川はためらいながらも少女を殺します。

市川が手を下す寸前に少女の首筋から現れた触手に殺された黒石と、自ら命を絶った江野、

全員が死んでしまった1人ぼっちの空間で、恐る恐るナナシの名を呼ぶ市川の眼の前にピースしながらおどけたように起き上がったナナシ

彼は隕石を波動のような力で封印するとその場で倒れている全員の中から黒い触手のような物体を引きずり出し一瞬でそれらを消滅させます。

事態が収束し復活した一同はアジトを後にして下山しようとしますが、ふと見上げた空にまた隕石が!?

特にメッセージのようなものは感じなかったけど、この作品の良かった点は未知の存在がいるのかピンと来てない状況でジワジワ侵略してくる得体の知れない緊張感のような

独特の空気感が感じられたことです。

おそらく敵の見た目が怖くなかったからだと思うんですが、個人的にはその辺の行き過ぎないくらいの怖さが逆にリアルに感じました。

宇宙的な何者かに乗っ取られた人間達を目の前にした時のリアクションってもしかしたらあんな感じなのかなとか考えさせられたり、

映画ではあまり感じたことのないどちらかといえば肝試しで置いてけぼりを喰らいそうになった時みたいなちょっと笑っちゃう怖さとでも言いますか、新鮮な怖さでした。

後半の教団のアジトでは登場人物の命が危険に晒されるいわゆるホラーのド定番の怖さもあり、全体的に上手くまとまってたと思います。

気になったのは、なぜ殺した後に生き返るのかの理屈が観てる側には曖昧でナナシと江野だけがわかってる体なのが雑と言うか観てる側は置いてけぼりを喰らった感がありました。

ま、細かい事は気にせず楽しめと言うことでしょう。

ラストの市川のドアップで「ジ・エンド」って軽いノリの終わり方もそれを表してるような気がしました。

POVホラーや少し変わったホラー作品が好きな人にはオススメです。

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