映画「牛首村」は怖いのか!?あらすじ・感想 実在する村って言うけど真相は?

ホラー


出典元:東映映画チャンネル

監督:清水崇

脚本:保坂大輔・清水崇

キャスト:Koki(雨宮奏音・三澄詩音)萩原利久(香月 蓮)芋生 悠 (三澄綾子)

     大谷凜香(アキナ)莉子(ミツキ)竜のりこ(三澄妙子)高橋文哉(倉木将太)

「呪怨」シリーズの清水 崇 監督が「犬鳴村」「樹海村」に続いてメガホンを取った映画「牛首村」村シリーズ最終章として公開された訳ですが、主演がKokiさんの一人二役という事でも話題になってますね。

早速、あらすじや感想、牛首村にまつわる都市伝説についてまとめていきます。

映画「牛首村」あらすじ

北陸の名だたる心霊スポット、坪野鉱泉で女子高生の仲良し3人組はの心霊スポットツアーをライブ配信していた。

こなれた様子で廃墟内の様子を実況する2人は階段を上がると壊れたエレベーターの前で立ち止まった。

開きっ放しの扉が異世界へ誘っているようなエレベーターの内部は更に不気味だ。

2人は事前に打ち合わせていた通りまだ画面に顔出ししてない詩音(しおん)をカメラ前に登場させると牛の顔の被り物を被った彼女を無理やりその不気味なエレベーター内に押し込み扉を閉めた。

エレベータ内では内部の検証役の詩音が「出して〜!」と大声で助けを求める演技をしていたが、頭上に手のような感触を感じて恐る恐るそれに手を伸ばした次の瞬間、その手の持ち主とは違う何者かの腕にしがみつかれ引きずり降ろされそうになる。

詩音は藁にも縋るように頭上の手を掴もうとするが掴みきれずその何者かの手に爪痕だけを残しエレベーターごと落とされてしまった。

落下したエレベーター内には詩音の姿はなく被っていた牛の被り物だけが残されていた。

奏音(かのん)はいつものようにピアノアプリを弾いているとこれまたいつも通り蓮(れん)が近寄ってきた。

出典元:東映映画チャンネル

お調子者の蓮のアタックに慣れた様子で悪びれもせずデートの誘いをバッサリ斬り捨てると奏音はそそくさとその場を後にした。

詩音と見まごうばかりの容姿の奏音は父親と2人暮らしでごく普通の高校生であった。

ある日バイト先のカフェにいつもの如く押しかけると蓮は奏音にある動画を観せた。

その動画はある女子高生が心霊スポットツアーを配信したものでそこには突如現場から神隠しのように消えてしまった詩音の姿もあった。

奏音はその姿を見て驚くとともに何か不思議な運命のようなものを感じとった。

その夜、奏音はいつものようにピアノアプリで童歌のような曲を口ずさんでいた。

気にしないようにはしていたがここ数日奏音は手に不気味な爪痕が時々浮かび上がる現象に遭遇していた。

そんな中、今度は携帯が奇妙な不具合を起こしたうえ傍に得体の知れない何者かの気配を感じるようになっていた。

この不可解な現象と例の動画の自分そっくりな少女の失踪事件が奏音の心を突き動かしたのか彼女の足は自然と事件現場の坪野鉱泉へと向かうのだった。

蓮と共に現地に向かった奏音にさらなる恐怖と双子の妹、詩音との不思議な運命が待ち受ける。

映画「牛首村」は怖いの!?感想

映画「牛首村」はホラーというより人間ドラマ!?

「犬鳴」「樹海」と続く村シリーズ三部作の最終章「牛首村」を観た感想ですが、「怖くないじゃん!」というのが私の率直な思いです。

「犬鳴村」も個人的に微妙な怖さだったんですが「牛首村」は更にホラー要素が少なくどちらかと言うと姉妹や家族の愛情物語といった要素の方が強めです。

そんなホラーとしては少し物足りない「牛首村」全体としては悲しい雰囲気で村の風習やしきたりの犠牲になった(綾子/あやこ)や村人達の恨みが現在にも連鎖して主人公の奏音や詩音その周囲の人達に悲劇を巻き起こすといったものです。

出典元:東映映画チャンネル

悲しい中にも姉妹や家族の絆のようなものが感じられて切なくも心温まるストーリーではありますが。。(冒頭のエレベーター内の手や、4歳時の奏音がいなくなった日の思い出、奏音がいつも祖母と同じ童歌を口ずさんでたり)

奏音と詩音のように離れ離れでも危機的状況に陥った時に胸騒ぎを感じたり、詩音が気づいてもらおうと生霊となって現れるといった双子ならではのシンパシー的なものが上手く表現されてました。

そんな双子の愛情に溢れた今作ですが同じ双子でも奏音、詩音の祖母に当たる(妙子/たえこ)と綾子の子供時代の牛首村では双子として存在すること自体が忌み嫌われ「忌み子」として扱う風習があり2人のうち片方が7歳になると牛の神様の生贄にならなければなりませんでした。

ある晩、夜中に両親の手によって妙子が生贄として牛の首を被せられたのを見た綾子は興味本位でその牛首を自分で被ります。

妙子と入れ替わったまま村人に儀式に連れて行かれた綾子は穴に突き落とされてしまい、絶望と恐怖のなか既に生贄になった子供達の屍を喰らいながら化け物のような姿で数年生き続けるも最期は村人によって殺されてしまいます。

そんな綾子の無念は風習のない現代で自由に生きる奏音や詩音に向けられたわけです。(子孫なのに〜)

個人的に怖かったシーン

悲しいなかにも姉妹の愛情に心温まるって時点でホラーじゃない気もしますが。。

いやいや、所々に散りばめられた控え目な超常現象はなかなか不気味ではあります。(個人的には音や見た目でビビらされるド定番な脅され方のほうが好みではありますが。)

  • スマホが「依り代(ヨリシロ)」と勝手に検索して喋りだす。
  • 実家で会話してる時、母親(風歌/ふうか)の後ろに一瞬人影が現れる。
  • 坪野鉱泉で水溜りにアキナが飛び降りを延々繰り返す姿が写り込んでる。

などが怖かったですね。

結末(ネタバレ)

奏音はこの事件を調査するなかで幼い頃に綾子に連れ去られそうになった記憶が蘇ります。その時それを阻止してくれたのが詩音だったことも。

いつも心のどこかで何か足りないと感じていた奏音は今回の旅でそれが妹の詩音だったことに気づき、今度は自分が詩音を救おうと奔走します。

物語のラストに綾子に乗っ取られてしまった詩音ですが、奏音はそのすべてを受け止めます。

幼い頃に仲良くなった綾子を裏切るようなかたちで逃げ出してしまった自分に決着を着けるように綾子に取り込まれた詩音を抱きしめながら崖から落ちていく奏音と将太(しょうた)、気づくと坪野鉱泉のエレベーターの中に戻ってました。

出典元:東映映画チャンネル

見事、この世に生還を果たした奏音と詩音にいつもの日常が戻ります。

ある日、詩音はもげてしまった牛首地蔵の首を戻そうと母親と地蔵のもとを訪れると、そのタイミングで奏音からの電話が掛かります。

嬉しそうに声を弾ませ会話する詩音でしたが、突然声の調子が変わったと思うと「だって。。一人ぼっちじゃ可哀想。。。」と言いながら振り向いた顔は綾子になっていたというラストはゾッとさせられました。

という訳でこのシリーズ特有の都市伝説を強引に絡めつつ終盤でのパラレルワールド的な異世界でのスリリングな逃亡劇、ラストのまだ終わってない感、今作でも健在です。

あとは村シリーズに共通してるんですが都合の悪い物事、村の風習や自殺したアキナとミツキが事故死として処分されたりなど真実が隠蔽されたまま風化していくことへの憤りのようなものも感じました。

出典元:東映映画チャンネル

突っ込みどころとしては終盤ではほぼ関係ない人達、山崎やこの件から手を引こうとしてた蓮が綾子の犠牲になったり(お調子者で重要な役どころじゃなく終盤までいる意味がないと思えた。)

生贄になった村人の年齢がまちまち(皆さん長いこと生きながらえたんでしょうか)だったりした点が気になった点ではありました。

主演のKokiの演技は?

あとは主演のKokiさん、木村拓哉さん工藤静香さん夫妻の次女ですね。

女優デビューが映画での主演、しかも一人二役ということもあり賛否あったんですが、個人的に自然な演技や表情をされてたと思います。(時折みせる笑顔なんかキムタクそっくり)

あとは、お約束のアキナ、遼太郎(バスの子供)も見どころ!?ですかね(^^)

出典元:東映映画チャンネル

因みにアキナ役の大谷凛香さんは今作のロケ地、坪野鉱泉が一番怖かったとインタビューで語ってました。

純粋なホラーと言うより少しホラー寄りの人間ドラマって雰囲気で、今後この手のホラー映画が増えそうな気がします。

個人的には物足りなかったけど人間ドラマとしては楽しめましたよ。

牛首村は実在するの!?真相は?

映画のタイトルにもなった牛首村ですが、果たしてこんな怖い村実在するんでしょうか?

答えは微妙で、実際に映画のロケ地として出てきた「坪野鉱泉」霊能者の宜保愛子さんが敷地に足を踏み入れるのを拒否したことでも有名です。

1996年、肝試しでここを訪れた10代女性2人組が失踪し、20数年後に白骨遺体として見つかる神隠し事件や、元オーナーの自殺、子供の事故死などが発端になりそれに尾ヒレが付いて怪談話が囁かれだした結果都市伝説として取り上げられるようになったそうです。

出典元:東映映画チャンネル

その坪野鉱泉から西に数十キロ進んだ所に映画にも登場した「牛首トンネル」があります。

出典元:東映映画チャンネル

割愛しますが、牛首トンネルにも数々の怪談があるそうです。

トンネルを抜けた石川県側に「白峰村」と言う山村がありそこが昔「牛首村」と言う名称だったそうです。

映画のような忌まわしい歴史は一切ない山間の美しい村だそうですよ。

映画「牛首村」は清水崇監督が怪談「牛の首」にインスパイアを受けてそこに坪野鉱泉の怪談話を盛り込んだフィクションという事になります。

つまり牛首村は実在したけど双子を生贄にするような恐ろしい風習はなかったという事ですね。

以上、映画「牛首村」のあらすじ、感想、牛首村の都市伝説についてまとめた記事でした。

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