「トップガンマーヴェリック」感想 胸アツの随所にこだわりまくりのスカイアクション映画!

アクション

数十年の時を経て戻ってきた名作「トップガン」、今作は「トップガンマーヴェリック」と言うタイトルからもわかるように主人公はマーヴェリックで古巣のトップガンで教官としての任務につきます。

良い意味で歳を重ねたマーヴェリックが生徒達、特に前作の相棒でもあったグースの息子との因縁などを乗り越えて最終ミッションの攻略を目指していく姿は見る者をアツくします。

出典元:パラマウント・ピクチャーズ(日本版)

監督:ジョセフ・コシンスキー

脚本:アーレン・クルーガー

キャスト

マーヴェリック(トム・クルーズ) ルースター(マイルズ・テラー)

アイスマン(ヴァル・キルマー) ペニー(ジェニファー・コネリー)

ハングマン(グレン・パウエル) フェニックス(モニカ・バルバロ)

ボブ(ルイス・プルマン) サイクロン(ジョン・ハム) 他・・

「トップガンマーヴェリック」あらすじ

マーヴェリックは空を飛び続けたいあまり海軍大佐の地位にあえて甘んじていた。

彼は有人による飛行でマッハ10を目指すテストプログラムのパイロットの任務に参加していたが、ある日無人化に舵を切ろうとしている少将が基地を訪問する。

マーヴェリックは少将の飛行禁止命令を無視して離陸、見事マッハ10に達するが若かりし頃からの自信に裏付けされたような無鉄砲ぶりは大佐となった今も健在で、更にスロットルを加速させ機体を不時着させる事態を招く。

基地に戻ったマーヴェリックを待ち構えていたのは飛行禁止令とばかり思っていたが、かつてのライバルであり親友でもある艦隊司令官(アイスマン)の口添えで古巣であるトップガンでの教官任務への配属だった

「トップガンマーヴェリック」感想(ネタバレ)

スカイアクションの名作「トップガン」の続編で期待していた人も多いはず、そんな期待を裏切らない出来栄えだった「トップガンマーヴェリック」は冒頭から前作を彷彿とさせるあの音楽「デンジャーゾーン」と戦闘機のテイクオフするシーンが胸アツです。

他にもグースの息子ルースターがピアノを弾くシーンやバイクで戦闘機と並走して基地をかっ飛ばしたり、機体を背中合わせにして接近したり、管制塔スレスレをかすめていくシーンなど随所にお約束のシーンが盛り沢山でファン感涙モノです。

これらのオマージュシーンは監督のジョセフ・コシンスキーが前作を手掛けたトニースコット監督への追悼の意を込めたものだと思われます。

他の見どころとしてはやはりF-18で挑む敵方の最新鋭の第5世代の戦闘機との迫力のドッグファイトですが、実際にキャストがコックピットに乗り込んで自撮りした映像という事で臨場感がバンパじゃないし、目が回るようなカメラワークも実際の戦闘機に乗り込んだようで楽しいです。

しかも戦闘機に乗って撮影するために5ヶ月にも及ぶ海軍での訓練を行ったというから驚きです。

またマーヴェリックのガレージにあるプロペラ戦闘機P-51はトム・クルーズの私物で実際にエンディングでジェニファー・コネリーを乗せて操縦もしていたそうです。

戦闘機のカッコよさは勿論なんですが、映画に登場するバイクや車もカワサキGPZ900Rや、ポルシェ911など前作が公開された80年代当時の人気車種が出てきたり乗り物好きには楽しめるシーンが出てきます。(メインで乗るバイクはカワサキNinja H2)

ストーリーとしては友情や師弟愛と言った事がテーマなんですが単純明快で映画の中でも繰り返される「考えるな」と言うメッセージそのままに何も考えずに夢中になって観れてしまう作品です。

今作の準主役的なグースの息子ルースター役のマイルズ・テラーは本当に血を引いてるんじゃないかと思わせるルックスでその辺りも観てて面白い部分です。

あとは、トム・クルーズが相変わらずカッコいいですね。

ビーチでのアメフトシーンでの筋肉は若い役者にも見劣りしないほど鍛え上げられててこんな歳の取り方したいと思わせてくれます。(キングカズもこんな感じなのかなとか余計な事を考える)

あとファンとして気になるのはアイスマン役のヴァル・キルマーですが、今作では艦隊司令官の地位に就いてマーヴェリックを再びトップガンへと呼び戻し影で彼を支える役どころです。

マーヴェリックとルースターとの因縁と言うかちょっとした確執が今作のひとつのポイントなんですが

そんな人間ドラマがラストのアクションを更に盛り上げる要素になっています。

トップガンに帰ったマーヴェリックを待ち受けていたのは昔の自分のような自身に満ち溢れた前途有望な若きパイロット達でそんな精鋭達を3週間で一大任務をこなせるほどに育て上げる事でした。

その任務とはNATOの条約に違反して稼働しようとするウラン濃縮プラントの破壊で、プラントは狭い渓谷の奥にあり周囲を山脈に囲まれた堅固なもので渓谷や山脈には誘導ミサイルが配備されています。

さらにプラントのある基地には最新鋭の第5世代の戦闘機も待機している状況で空中戦は避けられない状況です。

マーヴェリックは渓谷をギリギリの高度で低空飛行しながらそれなりの速度を保ちつつプラントに近づき直前で急上昇した後急降下してプラントを爆撃、更にそこから急上昇でミサイルをかわしながら敵戦闘機との空中戦を演じると言う無謀ながらもたったひとつの有効な戦略を打ち立てます。

トップガンの同僚であり今は上官でもあるサイクロン中将は無謀な戦略を非難しますがマーヴェリックは強引に生徒達との訓練を開始します。

初日の飛行訓練でマーヴェリックの実力に圧倒された生徒達は彼に一目置き順調に訓練をこなして行くんですがグースの息子ルースターだけがマーヴェリックの悩みの種になっていきます。

父親グースの死に関してはある程度昇華しきった様子ですが、訳あって海軍兵学校への願書を破棄したマーヴェリックに対する怒りが収まらず疑問を感じながらモヤモヤした気持ちのまま訓練をこなしているルースター。(もっとドロドロした因縁を想像してたんで少し拍子抜けと言うかホッとはしましたが)

一方、マーヴェリックは父親を死なせたと言う思いをずっと引きずっている上に「息子をパイロットにしないで」と言う母親キャロルの遺言もありルースターへの教育にどこか迷いが生じています。

信頼関係のないまま2人は訓練を続けますがお互いの距離は一向に縮まりません。

そんな時に命令という形でマーヴェリックを呼び寄せ再会を果たしたのはアイスマンでした。

久しぶりに会ったアイスマンは病に侵されていて話す事ができないほど衰弱していて余命幾ばくもない状態でマーヴェリックとは対象的な歳の取り方をしています。

そんなシーンは時の流れの残酷さを感じさせずにはいられません。

アイスマンはルースターとの関係に悩むマーヴェリックに単刀直入に「過去は水に流せ」と筆談で告げます。

更に死期を悟っていたのか最後の力を振り絞るように自分の口で「ルースターやトップガンにはマーヴェリックが必要だ」と伝えるのでした。

アイスマンを演じたヴァル・キルマーですが実際に喉頭癌と闘病中で映画では実際の彼の状況に近づけた設定にしたそうです。

実際に発声も困難らしく映画での肉声はAIによるものだそうでヴァル・キルマーの役者魂を感じました。

アイスマンの助言を受けたものの簡単に過去を捨て切れず葛藤するマーヴェリック、そんな教官とルースターの距離は平行線のまま関係は改善されず訓練が進む中、軍から更なる試練とも言うべき事実が告げられます。

それはプラントの稼働予定が早まって1週間以内にはミッションが決行されると言うものでした。

否応無しにハードルを上げての訓練を迫られるマーヴェリック達でしたがその訓練中に急上昇で意識を失った1機が墜落しかけその直後にバードストライクで制御不能になった1機が墜落してしまいます。

幸い生徒は無事だったものの無謀な飛行が招いた末の事故だとマーヴェリックは教官の座を降ろされ暫くの休暇を命じられます。

このまま飛行禁止の処分が出れば除隊もありうると途方に暮れたマーヴェリックはペニーを訪ねつい弱音を吐いてしまいます。

そんな彼に「自分が育てたパイロットに万が一のことがあったら自分を許せないはず。道は必ずある」とペニーは諭します。

グースを亡くして以来「誰ひとり生還できない者を出したくない」と言う思いのまま今日まで生きてきたマーヴェリックはその言葉に後押しされてある決断をします。

今作で初登場のペニーは実は前作でも名前だけ登場していたそうでファンの人も中々覚えてないかも知れませんね。

そんなペニー役にジェニファー・コネリーが起用されてるあたりが豪華ですね。

マーヴェリックが抜けたトップガンでサイクロン中将は生徒に新たな教官が着任することを告げ戦略の変更を伝えますがどう考えても撃墜されることが目に見える不自然な変更に生徒達の間に不穏な空気が流れます。

そんな時シュミレーターに1機の機影が姿を現し離陸許可を求める声がします。

声の主はマーヴェリックで彼は無謀にも自らこの戦略が実践可能だと証明する為に飛び立つのでした。

しかも設定されていたミッションの制限時間2分30秒を上回る2分15秒でのクリアーを宣言します。

自らハードルを上げたミッションをクリアーしてこの作戦は達成可能なことを見事証明したマーヴェリックに対しサイクロンは彼に海軍に残る最後のチャンスを与えたのでした。

それは編隊長として生徒を率いてミッションを達成することでした。

作戦決行の朝、マーヴェリックはある思いを胸にグースに誓いを立てます。

それは作戦の最も重要な任務のひとつにルースターを起用すると言うものでした。

突然の任務に不安を隠せないルースターを「お前ならできる」と励ましたマーヴェリックはF-18のコックピットに乗り込むと敬礼とともに発艦し生徒達の乗る3機を率いて敵地に飛び立ちます。

海上を滑空するマーヴェリックの攻撃開始の掛け声とともに空母から発射されたトマホークミサイルが編隊の頭上をかすめ目標に向かって飛び去って行き精鋭達も腹をくくります。

敵陣営の陸地に突入すると同時にミサイル着弾までの2分30秒の過酷なミッションが幕を開けました。

狭い渓谷を低空飛行で左右に旋回しつつ猛スピードで駆け抜けるマーヴェリックとフェニックスの2機、少し間を開けるように第二陣のルースター達の2機が谷間に配備されたミサイルを横目にすり抜けて行きます。

警戒機のレーダーに敵の機影が2機映し出されたとこでミサイルが敵基地の滑走路に着弾、マーヴェリックは更に加速を促し谷間に掛かる橋を針を通すような正確さですり抜ける2機でしたが後方のルースターに異変が起きます。

恐怖で加速に踏み切れず引き離される2機を置いていく形でプラント直前の山を急上昇するマーヴェリック達はそのまま背面飛行で急降下しながらプラントに近づくとフェニックスの僚機からボブによるレーザー照準が照射されます。

マーヴェリックはその照準をロックオンするとミサイルを2発プラントに叩き込み、一気に急上昇して行きます。身体にかかるGはみるみる上がって失神寸前になりながらも後方のプラントに命中したことを認識します。

9Gと言う重力を全身に受けながらも山脈を上がり切ったマーヴェリック達に息つく暇もなく誘導ミサイルが追尾してきます。

一方後方のルースターはマーヴェリックの「何も考えず行動しろと」言う言葉でようやく覚悟を決めて加速すると橋を抜けて一気にプラントにたどり着くも僚機のレーザーが故障してルースターの目視による攻撃に切り替え一か八かで発射すると見事に命中し、大爆発ともに崩れ去るプラントを尻目に急上昇します。

プラント上空でミサイルの集中放火を浴びながらはなんとか切り抜けようとした瞬間ルースターの機体がロックオンされますが間一髪マーヴェリックが弾幕を張りながら助けに入り自らが犠牲になります。

かろうじて脱出し雪原で意識を取り戻したマーヴェリックは敵のヘリの攻撃を受けあわやと言うとこを今度はルースターによって助けられますが、ルースターも敵の戦闘機に撃墜され不時着します。

皮肉にもお互いの命をかばって敵地に取り残された2人は敵基地で放置されたF-14トムキャットを見つけるとそれを奪取して滑走余地のない爆撃でボコボコの滑走路を前輪を障害物にぶつけながら急上昇離陸します。

F-14で最新鋭の第5世代の戦闘機とのドッグファイトを強いられるマーヴェリック・ルースターコンビは機銃と弾幕とF-14の持てる最大限のポテンシャル駆使して2機を撃墜すると命からがら海上まで逃げ伸びますがあと1歩のとこで現れた敵機にロックオンされます。

脱出を試みるも故障して万事急須かと思われた2人の後方でまさにミサイルが敵機から射出された瞬間ミサイルもろとも撃墜される敵機、そこには待機していたハングマンが駆け付けていたのでした。

ラストのミッションはとにかくスピード感が凄くて迫力満点でした。

しかもF-14でマーヴェリックとルースターの世代を超えたコンビで敵を撃墜する演出なんて感慨深すぎます。

ハングマンによって命を救われた2人は見事帰還して皆に称賛される中でルースターは「あなたを父の代わりだと思ってました」とマーヴェリックに打ち明けます。

その瞬間マーヴェリックの中のグースへの思いは昇華されていくのでした。

過去を水に流した2人はそれ以後、親子とも友達とも言える付き合いでいつもマーヴェリックのガレージにはルースターの姿があります。

そこにペニーが訪ねてきてマーヴェリックは彼女を誘うとP-51で夕日の中デートクルージングに飛び立ちます。

1人ガレージに残ったルースターは若き日の父親とマーヴェリックが仲良く写った写真を見ながら感慨深そうに微笑むのでした。

キャストが実際に戦闘機に乗り込んで自ら撮影するなど随所にこだわりが詰まった「トップガンマーヴェリック」

つまらない過去に捕らわれず直感のまま自信を持って行動することも時には大切で直感や一瞬の判断ってまさに戦闘機のパイロットにも言える事でそんな大切さを教えてもらった気がしました。

何よりもスカイアクション映画として純粋に楽しめました。

トップガンシリーズのファンや超音速の世界を肌で感じたい人は是非、スカッとしますよ。

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