「ブレット・トレイン」感想 細かい事を気にしなければ楽しいハチャメチャエンタメアクション!

アクション

ブラピ主演で日本が舞台と言うことで話題になった「ブレット・トレイン」伊坂幸太郎 氏の原作「マリアビートル」を「ジョン・ウィック」のデヴィッド・リーチ監督の手によって映画化された逆輸入とも言える作品です。

出典元:ソニー・ピクチャーズ映画

監督:デヴィッド・リーチ
脚本:ザック・オルケヴィッチ
キャスト
レディバグ(ブラッド・ピット) レモン(ブライアン・タイリー・ヘンリー)
タンジェリン(アーロン・テイラー=ジョンソン) プリンス(ジョーイ・キング)
エルダー(真田 広之)  キムラ(アンドリュー・小路)  ホワイト・デス(マイケル・シャノン)
サン(ローガン・ラーマン)  ウルフ(バッド・バニー)  ホーネット(ザジー・ビーツ)
マリア(サンドラ・ブロック)

「ブレット・トレイン」あらすじ

腹痛で欠勤した殺し屋カーバーの代わりに任務を受ける事になったレディバグ(コードネーム)は盗みと運びが専門で、新幹線でブリーフケース1つを奪ってすぐに降りると言うごく簡単な任務を受けるが、彼にはある種才能とも言える奇妙なジンクスがあった。

それは彼の周りでは手を出さないのに人が死ぬというものだった。

早速新幹線に乗り込むと幸先良く荷物を見つけそのまま降りようとしたレディバグだったが、出入り口で、ある男のナイフ攻撃を受けそのまま揉み合いになると持ち前の能力でその男の投げたナイフがそのまま跳ね返り男は自滅する。

間抜けな死に方をしたその男はウルフと言う殺し屋で結婚式で妻を毒殺されレディバグを敵の1人と勘違いして追い掛けてきたのであった。

ひょんな事から簡単な任務が拗れてしまったレディバグは無事に下車して任務遂行できるのか!?

「ブレット・トレイン」感想(ネタバレ)

ブラピが日本の新幹線で大暴れ的な触れ込みで気になってた「ブレット・トレイン」の感想はと言うとザ・ハリウッドとも言える痛快アクション映画で楽しかったです。

が時々、説明不足でわかりにくい場面があったりテンポが早過ぎたりで話が入って来なくなる時がありました。(訳にもよるのか)

また、新幹線は勿論、東京の街などがCGで表現されてて本物に比べるとやはりチープさは否めません。

逆に冒頭の夜の歓楽街の様子や魚市場で抗争が繰り広げられるシーン、車窓から見える浜名湖と富士山、霧に包まれた米原駅など海外から見た日本の優美さや魅力がエキゾチックかつポップに表現されてる部分はCGが功を奏したのかなと思えます。

海外から見た日本ってこんな感じなのかな。

細かい点を気にしなければドタバタアクションの中にちょっとしたミステリーや人間ドラマの要素が盛り込まれてたりエンタメアクションとしては充分楽しめます。

原作の「マリアビートル」「グラスホッパー」は読んだことがないけどレビューでは2作品がどうやらシリーズ的なものとして関連してるみたいです。

映画で「グラスホッパー」は観てて「マリアビートル」の映画版とされる「ブレットト・レイン」を観たらそんな繋がりは感じられず全く別の話にしか思えなかったです。そもそもキャストが全然違うし。

キャストはブラッド・ピットという事で話題でしたが、作品の大半を占めるアクションシーンではブラピがジャッキー・チェンのようにコミカルなバトルを繰り広げたりしてて改めて素晴らしい役者さんだなあと思ったりしました。

またこの映画では日本の誇るアクションスター真田広之さんが元ヤクザの剣客でベスト・キッドのミヤギのような雰囲気がハマってて独特の存在感をバシバシ放ちまくってました。

登場人物は皆クセが強いんだけどどこか憎めない、コードネームもなんか可愛いし、そんな9人と1匹(動物園から盗まれたブームスラングヘビと言う猛毒の蛇)の殺し屋達が新幹線内でハチャメチャなバトルを繰り広げるのはテンポも良くて爽快です。

個人的に好きな人物はレディバグが盗んだブリーフケースの持ち主(と言っても盗んだモノ)タンジェリンとレモンの2人です。

物語はほぼこの3人で進んでいくと言って良いのではないでしょうか。

機関車トーマスが好きで例え話は全てトーマスのキャラを引用するレモン、そんな彼を口うるさく咎める兄のようなタンジェリンとのやり取りが微笑ましいです。(後半でわかるんですが実際に異母兄弟と思われる)

オレンジじゃなくタンジェリンなのも気になるとこではあります。

ストーリーとしては、レディバグとレモン、タンジェリン、一見清楚で可愛らしいけどそれは演技で実は爆弾魔の少女プリンス、そのプリンスに息子をビルの屋上から突き落とされたキムラ、殺しの報酬としてブリーフケースの中の金を手に入れたい毒殺魔ホーネット、ホーネットとレディバグを追ってきたウルフ、

殺し屋達の様々な思惑が入り乱れた殺し合いが新幹線内で演じられ、テンポも早く何がなんだかわからないんですが、物語が進むにつれ登場人物の関連性や因縁がなんとなく見えてきます。

殺し屋達が新幹線に集まるただならぬ状況はやはり偶然じゃなくホワイト・デスと言う犯罪組織のボスの計画で、それぞれが直接だったり仲介人やネットを通じて依頼を受けて集まったものでした。

ただひとつ例外はホワイト・デスの娘プリンスは自分の意思で新幹線に乗り込んでいました。

日本のヤクザ組織に息子のサンを誘拐されたホワイト・デスはレモン、タンジェリンにサンと身代金の奪還を依頼しそれを京都に運ばせるんですが、それは表向きで実は最愛の妻を殺したカーバーとそんな最悪な状況に導いた息子のサンとホーネットに復讐するために新幹線で殺し合いをさせようと仕組まれた罠だったのです。

そんな事は知らずにレディバグはカーバーが受けた依頼を代わりに引き受ける、ホーネットはサンを殺すよう命じられその報酬の入ったブリーフケースを狙う、ウルフは復讐心でホーネットとレディバグの2人を狙う、そこにホワイト・デスの娘プリンスがキムラを巻き込み乱入しややこしい構図が出来上がります。

プリンスは父親に認められ更にそれを越えたいと言う野心から父をキムラの手で殺す計画を立て新幹線に誘い出すために息子をデパートの屋上から突き落とし重症を負わせます。

息子を傷つけられたキムラは犯人を追って新幹線に乗り込み、その直後レディバグも発車ギリギリで飛び込んできます。

いよいよ京都に向けて死のトリップが始まり、レディバグはいとも簡単にブリーフケースを手に入れるんですがウルフによって任務を妨害され、レモン、タンジェリンとのすったもんだに巻き込まれ、ホワイト・デスの息子殺しの罪を着せられたり、一時凌ぎにタンジェリンの双子の兄弟のフリをさせられます。

更にはホーネットからも狙われ毒を注射されたり、ブームスラング蛇に噛まれたりしながらどうにかこうにか最終決戦の地、京都に辿り着きます。

京都の1つ手前の米原に着く頃にはホーネットが死に、タンジェリンもレモンを撃ったプリンスに銃を向けたとこを何も知らず彼女を助けようとしたレディバグと揉み合いになり、誤って自爆してしまいます。

米原で合流したキムラの父エルダーは過去に妻を殺されたホワイト・デスに復讐を誓う剣客ですが、

復讐したいと言う思いに捕らわれる事なく運命に身を任せ生きてきたからこそ「遂にその好機に恵まれた」とこれまでの人生や運命を説きながら、レディバグ(てんとう虫)の持つ意味を彼に語るのでした。

生き残った5人のうちプリンス以外のレディバグ、レモン、エルダー、キムラは協力してホワイト・デスとの決戦に備え各々の持ち場に着きます。

殺し屋達を従えて待ち構えるホワイト・デスがいるホームにプリンスの仕掛けた爆弾入りのブリーフケースを持って下車するレディバグは手下の殺し屋にそれを渡すと案の定、槍を突きつけられその場に跪きます。

そこに現れた親玉ホワイト・デスにレディバグは「新幹線に殺し屋を集めたのはお前か?」と問いただすと、彼は事の経緯を話し始めます。

レモンとタンジェリンに部下を殺され、自分の不在中にサンのせいで妻が警察に出向きそのタイミングでカーバーの車に激突され、腕利きの医者に妻の手術を依頼しようとしたらその医者がホーネットに殺されたと言うなんとも浮かばれない死に方をした。

そんな妻の敵を取ると、ある種逆恨みのようなことを宣います。

それを聞いたレディバグが「俺はカーバーの代理で・・」と言った瞬間、部下の殺し屋が確認のために開けたブリーフケースが爆発し、車内に飛ばされるレディバグ、それと同時に運転士がいなくなった新幹線をレモンが始動させます。

大半の殺し屋は爆発と突然発車した新幹線に振り落とされるもホワイト・デスと残りの殺し屋数人は生き残り車内での最終決戦になります。

ホワイト・デスとエルダーが因縁の一騎打ちに入る中、他の面々はそれぞれの持場で殺し屋達と死闘を演じます。

レディバグとレモンは運転席で殺し屋の残党と戦いながら加速する一方の新幹線を必死で制御しようとマニュアルを探すも風で飛ばされなす術がなくなります。

必死に操作パネルにかじりつくレディバグの後ろで敵を蹴散らしながらレモンは「新しい兄ができたみたいだ」とレディバグに微笑むんですが思い直したように「そんなわけねえだろう!」と叫ぶとタンジェリンを追うように敵と共に橋の上の新幹線から川に飛び降ります。

レモンの突然の行動にレディバグはやりきれない思いになりますが、それを振り切り足元の警告マークのついたパネルの配線をイチかバチか引きちぎると列車は一瞬急ブレーキを掛けた後再び加速します。

その一瞬の揺れで幸運にも危機一髪の状況を救われたエルダーはホワイト・デスに一矢報いるとその瞬間、新幹線は脱線して京都郊外の住宅街でストップします。

なんとか無事に新幹線から降りたレディバグでしたがホッとする間もなく目の前にホワイト・デスが現れます。

必死でカーバーの代役だと弁解するレディバグにホワイト・デスは銃を構え引き金を弾くと弾切れでプリンスの細工した銃で再び彼を狙います。

次こそは殺られると覚悟を決めるレディバグでしたが次の瞬間、ボン!と言う爆発音と共にホワイト・デスの顔面は半分吹き飛んでいました。

列車から出てきたキムラ親子はレディバグに別れを告げその場を去ろうとするとプリンスがマシンガンを構えて立ち塞がり勝ち誇ったように「これから私がホワイト・デスを引き継ぐ!」と高らかに宣言するも次の瞬間トラックに轢き殺されあっけない最期を迎えます。

彼女を轢いたトラックの運転席には川に飛び込んで死んだはずのレモンが乗っていてコンテナには蜜柑が描かれてるのでした。

プリンスは最終的に2人に復讐された形になったのです。

1人瓦礫の中で取り残されたレディバグは途方に暮れていると1台のスポーツカーが停まり中から美女が降り立ちます。

それは仲介人のマリアでレディバグは今回の任務から無事に生還できたことを感謝するように彼女に喜びを伝えると2人はその場を後にするのでした。

126分のドタバタアクションはせわしなく、「モモもんと言うキャラの着包みが殺し屋かなぁ」と推理したり、「Fijiと言う銘柄の水の描写はなんか意味あるのか」とか、レモンの川に飛び込むくだりの意味とか最終決戦で掛かる「スクールウォーズ」の「ヒーロー」とかよくわからない部分がありつつもアクションとしては楽しめました。

ひとつ悲しかったのがホーネットとレディバグが戦うシーンでブラピが「くされジジイと」言われててブラピもそんな歳なんだと時代の流れを感じずにはいられませんでした。

観終わって感じたのは日々の出来事を良かった悪かったとジャッジするんじゃなく全ての運命を素直に受け止め昇華していくのが大切だし、どんな事象も解釈のしかたは自由だと言ってる気がしました。

またホワイト・デスとエルダーを観てわかるように運命には抗わず従えばおのずと人生が満たされると言ったような事も感じ取れました。

でも完全にCG頼りな新幹線とパーサーの金髪ギャル(福原かれん)にはどうしても違和感を感じてるジャッジしまくりな私がいるんですけど(笑)

ブラピ好きや、細かいことは気にせずスカッとしたい人にはおすすめの作品です。

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